
体は食べたものでできています。疲れが抜けないのなら、元気な体を作れるように普段口にしているものに気をつけてみましょう。
●甘いものは控えめに
疲れているときには甘いものを食べたくなります。
脳は糖の消費量が多く、全エネルギー量の20%程度の糖を消費します。デスクワークをしていると脳を活発に使用するので甘いものが欲しくなることでしょう。
仕事中にちょこちょこと甘いものを口にしている方もいるはずです。
しかし、疲れているときには甘いものはおすすめできません。甘いものを食べると一時的に疲れが取れたように感じます。
しかし、甘いものは砂糖の使用量が多く、血糖値が急激に上がりやすい特徴があります。血糖値が上昇をするとそれを下げるためにインスリンが分泌されます。
血糖値が急激に上がった場合はインスリンが急激に大量分泌されてしまい、その影響で血糖値は急激に低下をします。血糖値が下がることで疲労を感じてしまいます。
●ビタミンB1
糖をエネルギーに変えるためにはビタミンB1が必要です。糖分を補給して疲れを取りたい場合でも、ビタミンB1が不足していてはうまくエネルギーとして利用することができません。お菓子のような甘いものは糖分ばかりでビタミンB1が不足していることも、甘いものがおすすめできない理由です。
ビタミンB1が多い食品は、豚肉、うなぎ、たらこ、鶏肉レバーなどです。
デスクワークをしているなら、お昼には生姜焼き定食などどうでしょうか。生姜焼きでビタミンB1、ご飯で糖分を摂ることができます。
もっと手軽に食べたいときにはおにぎりがおすすめです。たらこおにぎりなら、ビタミンB1と糖分を同時に摂取することができます。最近はいろいろなおにぎりが販売されていて、豚肉巻おにぎりなどもあります。
●ビタミンB2
ビタミンB2は、糖質・脂質・タンパク質の代謝や乳酸の代謝に必要です。乳酸は蓄積すると疲労の原因になるといわれている物質です。
デスクワークを長時間していると肩が凝ってくることがありません。これは筋肉を長時間動かさず血行が悪くなってしまい、乳酸がたまることによる影響です。
疲れをためないためにはこまめに体を動かすと同時に、乳酸をためないような食事をすることも大切です。
ビタミンB2が多く含まれている食べものは、レバー、うなぎ、納豆などです。
レバーはビタミンB1も多く含む食品で、疲労回復に役立つ栄養素をさまざま摂取できます。
100gあたりのビタミンB2含有量は、納豆0.56mg、豆腐(絹ごし)0.04gで、大豆製品という点では同じでもビタミンB2含有量が違います。
これは大豆が発酵することで納豆のビタミンB2が増えているからです。納豆の臭いが気になる場合は臭いを抑えた製品を食べるとよいでしょう。
●鉄分
脳や体を働かせるためには酸素が必要で、その酸素は血液中のヘモグロビンによって運ばれています。ヘモグロビンには鉄分が必要です。
鉄分は女性に不足しやすい栄養素です。毎月生理のある女性は鉄分を失っているので、意識的に摂取をしましょう。
鉄分が多い食品は、卵、レバー、パセリ、しじみなどです。
鉄分にはヘム鉄と非ヘム鉄があり、吸収率に違いがあります。ヘム鉄は15~20%程度の吸収率ですが、非ヘム鉄は2~5%程度の吸収率です。ヘム鉄は動物性食品に含まれており、非ヘム鉄は主に植物性食品に含まれています。
ビタミンCやクエン酸と一緒に摂取をすると鉄分の吸収がよくなります。鉄分が多いほうれん草にはレモン汁をかけたりして食べるとよいでしょう。
パセリは非ヘム鉄が多い食品ですが、同時にビタミンCを多く含んでいるので鉄分の吸収を助けてくれます。
鉄分の吸収は緑茶などの渋みのタンニン、コーホーや紅茶に多いカフェイン、ほうれん草など野菜に多いシュウ酸などによって阻害されてしまいます。
緑茶やコーヒーなどを食事と一緒に摂ると鉄分の吸収が阻害されてしまうので控えましょう。
●カルシウム
デスクワークには高い集中力が必要で、長時間の作業は精神的な疲労につながります。
精神的な疲労回復のために摂りたい栄養素がカルシウムです。
日本人はカルシウムが不足しているといわれていて、推奨摂取量は1日600~800mgですが、日本人の平均摂取量は1日531mgとなっています。
カルシウムの不足によって骨や歯がもろくなってしまったり、イライラしやすくなったりすることがあるので、意識的に摂るとよいでしょう。
カルシウムが多い食品は、小魚、乳製品、あおのり、桜エビなどです。乳製品にアレルギーを持っている方は、海藻や小魚などからカルシウムを摂取するとよいでしょう。
カルシウムはマグネシウムと一緒に摂取をすると吸収がよくなります。カルシウムとマグネシウムの理想のバランスは2:1です。
乳製品はカルシウムは多いですがマグネシウムは少ない食品です。海藻ならカルシウムと同時にマグネシウムも摂取できます。